日立ビルシステムは、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)(※)を積極的に推進している。
どのような考え方のもと、何をめざして、どのような活動に取り組んでいるのか。
DEI推進を担うCSR本部長 中村麻里に語ってもらった。
- ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI):Diversity(多様性)とは、私たちそれぞれがユニークな個性を持ち合わせているという事実のこと、Equity(公正性)とは、日立で働いている誰もが能力を発揮できるよう環境を整えること、Inclusion(包括性)とは、一人一人の存在とそれぞれの意見が尊重され、組織に関与する意識を持てることを意味する。
PROFILE
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CSR本部 本部長
中村 麻里
大学卒業後、石油開発会社に入社。アンゴラ共和国の油田プロジェクトの渉外、EHS(安全・衛生・環境)の統括業務を担う。2021年にCEHSO(Chief Environment, Health & Safety Officer)として、日立ビルシステムに入社。グローバルの安全・衛生・環境に対する推進を管掌。2024年よりCSRO/CSR本部長としてDEI・衛生・CSRを管掌する。
Q1
日立ビルシステムが推進している
DEIの考え方・概要を教えてください。
日立グループは、DEIを「イノベーションと成長の源泉」と捉えており、さまざまな施策を行っています。そのミッションは、女性、外国籍の方、障がいを持つ方をはじめ、マイノリティの方まで、全ての方が安心して働ける環境を作っていくこと。私たち日立ビルシステムも、日立グループの一員としてこの考え方に基づき、積極的にその取り組みを推進しています。DEIが実現している会社でないと、少子高齢化、労働人口減少が進行する今後の社会においては、人財確保が困難になり、会社としての価値も低下すると考えているからです。
私たちが考えるDEIが実現している会社とは、お互いの違いを認め、お互いの意見が受け入れられる土壌があり、個々人の心理的安全性が担保されているような職場環境がある会社です。それは国内でも海外でも同様です。日立ビルシステムは、中国・東南アジアを中心にグローバルな事業展開を行なっています。その中で、国、文化、気候、言語、考え方などが違う方々と、一つの目標に向けたビジネスを継続していくには、お互いを理解し配慮することが重要だと考えています。

Q2
DEIを実現していくために、
具体的に取り組んでいることを
教えてください。
CSR本部が発足し、本格的にDEI活動を行う以前の2021年〜2024年前半にかけては、社内横断の推進委員会での活動を行いました。現場の声を聴くウーマンズミーティングの開催や、フェムテック(女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決するための商品やサービス)に関するセミナーへの社長や支社長の参加、また、男性育児休暇の取得促進活動など、さまざまな活動を通して、年齢、性別、その他の違いを問わず、多くの社員の皆さんに、DEIへの気づきをもたらすことができたと思います。
そして今力を入れているのは、DEIの周知活動です。DEIが横文字で、日常では使わない言葉であるため、まずは「(D)だれもが(E)えがおで(I)いっしょに」と、わかりやすく、かつ、DEIの考え方を具現化した言葉で覚えてもらおうということで全社に発信しています。また、支社長や本部長が参加する、月1回の国内の経営会議にて、DEI対話を通じて基礎知識に触れていただいているのもその一環です。また、海外のグループ会社のDEI活動についてもコミュニケーションを開始しました。Good practiceを共有し、またDEI活動をこれから始める海外のグループ会社などと協力し合い、グローバルキャンペーンを行うことを考えています。さらに、DEI研修や女性活躍推進のためのプログラムも実施しています。
