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株式会社日立ビルシステム

エレベーター・エスカレーターの脱落防止対策に関する建築基準法施行令の一部改正について

平成23年3月に発生した東日本大震災においてエレベーターの釣合おもりやエスカレーターが落下する事案が複数確認されたことから、平成25年7月「建築基準法施行令を改正する政令」が公布され、エレベーターおよびエスカレーターなどの脱落防止措置に関する建築基準法施行令、告示が制定および改定されました(平成26年4月施行)。

エレベーター 法改正の概要

1. 釣合おもりの脱落防止構造の強化

令第129条の4第3項第五号

釣合おもりを用いるエレベーターにあっては、地震その他の震動によって釣合おもりが脱落するおそれがないものとして国土交通大臣が定めた構造を用いるものであること。

平成25年国土交通省告示第1048号

地震その他の震動によってエレベーターの釣合おもりが脱落するおそれがない構造を定める件

【解説】
釣合おもりは、釣合いおもりの枠(左右のたて枠、上枠、下枠、通しボルトや連結金具等の釣合おもり片の脱落防止部材及びそれらの接合部)と釣合おもり片によって構成されるものでなければならないと規定された。また地震その他の震動によって釣合おもりが脱落するおそれがない構造計算方法が定められた。

2. 地震に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の規定

令第129条の4第3項第六号

国土交通大臣が定める基準に従った構造計算により、地震その他の震動に対して構造耐力上安全であることが確かめられたものであること。

平成25年国土交通省告示第1047号

エレベーターの地震その他の震動に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定める件

【解説】
主要な支持部分に対する地震時の構造計算方法が定められた。従来の強度検証法による強度計算に加えて、地震力により生ずる短期の応力度を求めて、その求めた応力度が基準強度から算定される短期許容応力度を超えてはならない。

主要な支持部分
ロープ式機械室ありエレベーター:主索、主索の端部、マシンビーム
ロープ式機械室なしエレベーター:主索、主索の端部、ガイドレール、頂部返し車はり

3. 貨物用、自動車用エレベーターの適用除外規定の変更

第129条の11

乗用エレベーター及び寝台用エレベーター以外のエレベーターのうち、それぞれ昇降路、制御盤又は安全装置について安全上支障がないものとして国土交通省が定めた構造方法を用いるものについては適用しない。

平成25年国土交通省告示第1050号、1051号、1052号

乗用エレベーター及び寝台用エレベーター以外のエレベーターの昇降路について安全上支障がない構造を定める件

【解説】
下げ戸又は上下戸の場合、敷居間(かご戸と乗り場戸の隙間)が4cm以下であること。
かご内に操作盤を設けない場合は、戸開走行保護装置(UCMP)、地震時管制運転装置、ドアスイッチ、インターンホンは設置しなくてもよい。

エレベーター構造図

当社の対応

  1. 釣合おもり枠の強度増しのため部材を変更したり、釣合おもり片の脱落防止用として、枠連結金具と押さえ金具を設けるなど構造を変更します。
  2. 機械室なしエレベーターのガイドレールは、従来より鉛直荷重の条件が厳しくなることから、鉄骨構造の場合などでガイドレール支持間(ガイドレールを固定するブラケット同士の間隔)が大きい場合は、ガイドレールのサイズをアップする場合があります。
  • リニューアルにおいては、使用材料や構造強度により、主索、主索端部マシンビーム、釣合おもり枠、機械室なしエレベーターのガイドレールなどの既設品活用に対応できない場合があります。
  1. 上げ戸の敷居間は従来より4cm以下としています。下げ戸、上下戸の新設物件は基本的にはありません。
    また、乗用エレベーター及び寝台用エレベーター以外でも、かご内操作盤が設置の場合は、従来より戸開走行保護装置(UCMP)、地震時管制運転装置、ドアスイッチ、インターホンを付加しています。

エスカレーター 法改正の概要

エスカレーターの脱落防止構造の強化

平成25年国土交通省告示 第1046号 の概要

  1. エスカレーター支持部は、両端非固定構造または一端固定構造とする。
  2. 非固定部分が建築はりから脱落しない十分なかかり代を設ける。かかり代の長さを求める基となる設計用層間変形角γは、建築物の構造によりγ=1/100 〜1/24 とする。
  3. 上端・下端でかかり代が不足する場合は、脱落防止措置を講ずることができる。
  4. 一端固定での固定部分には、設計用水平標準震度は最大1.0(上層階に設置する場合)の地震力が作用したと安全上支障となる変形を生じないこと。

エスカレーターの脱落防止構造の強化

当社の対応

  1. 建築物の層間変位(γ・H、設計用層間変形角γと階高Hの積)に応じて、『十分なかかり代』を設けます
  2. 支持部材と建築はりとの間に『十分な隙間』を設け、エスカレーターが建築はりによって圧縮されないようにします。
  3. かかり代、隙間は、エスカレーター据付後に規定の寸法を満足させるため、エスカレーターの設置位置や、建築物などの寸法誤差を想定します。(寸法誤差は梁間誤差として±30mm以上を目安としています)

エスカレーター支持部の標準構造 (両端非固定構造)

エスカレーター支持部の標準構造
γ・Hの値が180mmを超える場合は、当社技術員にお問い合わせください。

エスカレーター設置計画時のお願い

建築物の構造や構造計算方法によって、エスカレーター支持部の構造が異なります。
エスカレーター設置計画の際は、建築物の層間変形角γのご提示をお願いします

キャプションを入れてください。
No. エスカレーターを設置する建築物の構造 設計用層間変形角γ
1 平成19年度国交省告示593第ニ イ の規定による鉄筋コンクリート造の建築物(ルート1) 1/100
2 平成19年度国交省告示593第一 イ又はロの規定による鉄骨造の建築物で、地震力の大部分を筋かいで負担するもの。(ルート1)
3 鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の地階
4 免震建築物の上部構造
5 時刻歴応答解析、限界耐力計算によって大規模地震時の層間変形角を求めた建築物 大規模地震時の層間変形角
(ただし1/100以上)
6 令第82条の2により、中規模地震の層間変形角を求めた建築物 中規模地震の層間変形角の5倍
7 構造計算により層間変形角を求めない建築物 1/24