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株式会社日立ビルシステム

ハトのイラスト

ハトは、姿は愛らしいが、一方で鳴き声や
フン害に悩む人々も・・・。彼らはコンクリートの
建物や橋梁を好んで巣を作ります。
都会にいるほとんどのハトは、
輸入種のカワラバトが野生化したドバトと
呼ばれる種類です。今回はドバトについて、
その習性を探ってみました。
監修:平岡考氏(山階鳥類研究所・広報室長心得)

point1:外国の鳥だったドバト

ドバトの原種・カワラバトは、地中海から中央アジアにかけて広く分布しています。海辺の崖や山岳地帯、または木の生えていない所や草原、砂漠などで生活し、崖の岩棚や洞穴など、岩の割れ目を好んで巣を作ります。エサは豆類などの植物食です。
カワラバトが日本に持ち込まれたのは、奈良時代だといわれています。
ハトは、渡り鳥でもないのに地球の磁場を強く感知することができる特殊な能力を身につけており、方向感覚と帰巣能力が大変優れています。
さらに、長距離飛行もできるので、その才能に目をつけた人間の手によって、ハトは古くから通信手段用の伝書鳩として活用されてきました。この伝書鳩が戻らずに野生化したものがドバトです。

point2:ビルの隙間が大好き

岩場に巣を作って生活してきたカワラバトの習性を受け継いでいるドバトにとって、ビルやマンションが林立する都会は最も生活しやすい環境といえます。
では、マンションの場合、いったいどこに巣を作るのでしょうか。
我孫子市『鳥の博物館』館長の杉森文夫氏(前・山階鳥類研究所広報室長)は「ドバトはマンションの高い階で、人の気配の少ないベランダを狙って巣を作ることが多いようです」と、かつての追跡調査の結果を伝えてくれました。
狙われるのはベランダに置かれたエアコンの室外機の隙間や植木鉢の隙間。とくに、留守の多い家のベランダは格好の塒となります。ドバトは繁殖場所と休息場所が同じなので、その塒を守るために昼間もそこに居ることが多く、そのため、フンと騒音のような鳴き声が、昼も夜も人を悩ませるのです。

point3:餌をやらない

ドバト対策で最も重要なのが「エサをやらない」ということです。都会でドバトが増えている一番の原因は、ドバトに餌をやる人がいることです。
環境省のポスターには、「エサの量が減るとハトは増えません」と題して、「広島市では平和公園を中心にハトのフン害などが問題になり、平成6年より売店でのエサの販売を中止しました。同時に、エサを与えないように呼びかけ、ハトの生息数を5分の1まで減少させることに成功しました」と記されています。
前出の杉森氏も「ハトの数とエサの量には相関関係があります」と指摘しています。
ハトはピジョンミルクと呼ばれる、親鳥が吐き出すとろけたチーズのような餌を幼鳥に与えます。スズメやムクドリなども植物食の鳥ですが、幼鳥の時はたんぱく質が必要なので、子どもには小さな虫を食べさせます。そのため、繁殖期は虫の現れる季節に限定されますが、ドバトにはその必要がないので、一年中繁殖が可能なのです。ともあれ、彼らの繁殖を押さえるにはエサをやらないことが大切です。

point4:フン害と病気

ドバトのフンは、もっともやっかいな問題です。とくに、高い壁面にフンがつくと容易に清掃することもできず美観をそこねます。
また、堆積したフンは衛生上大きな問題をもたらすと共に、建造物の材質によってはフンで腐食が促進される場合もあります。さらに、通行人の衣服や洗濯物を汚してしまったり、ひどい時には屋上などの排水溝がフンでふさがれてしまいます。
鳥インフルエンザが流行している今日、ハトのフンは人間に害があるのではないかと心配する方も多いと思います。鳥の病気にはオウム病、クリプトコッカス症などの病気がありますが、健康な人はあまり心配する必要はないようです。なぜなら、ハトレースに参加している人たちは毎日ハトと接していますが、特にそれが原因で病気になるということは少ないからです。しかし、病気で体力が落ちている方は近づかない方がよいでしょう。いずれにせよ、ハトのフンは放置しないでマメに清掃することが大切です。

point5:ハトを近づけない工夫を

ドバトは、人間の作ってきた環境を好んで繁殖を繰り返してきました。
そのため、ドバトの繁殖を防ぐためには環境整備が必要です。建物を建築する場合は、後から対策を講じるより、設計段階からハトが止まれないような工夫を凝らすほうが賢明でしょう。
また、対処法として、光反射物、カカシ、天敵のタカやカラスの模型をぶら下げたり、爆竹やカラスやタカの声で脅すという方法などが考えられます。しかし、こうした対策グッズの効果は一時的なものとみなされており、長期的効果は望めないのが現状です。むしろ、防鳥テープやテグス、防鳥ネットなどを使ってドバトが近づけないようにする方が効果があるようです。「私どもにも、ドバトについてよく問い合わせがありますが、それぞれに応じた対処法をお伝えしています」(山階鳥類研究所・平岡氏)。
いよいよ、本当に困った時には、役所に相談するのも良いかもしれません。

ハトのイメージイラスト

野鳥の保護について
すべての野鳥は「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護法)により保護されています。
許可なく野生鳥獣を捕獲すると処罰されます。
ドバトも対象外ではありません。