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カラスのイラスト

ゴミの集積場を荒らし、鳴き声が騒音になり、
フンを撒き散らし、さらに、繁殖期には人を攻撃するといった
迷惑行為を引き起こしているカラス。
今回はカラスの生態を知り、対策を考察してみましょう。
監修=杉田昭栄(宇都宮大学教授・医学博士・農学博士)

point1:身近なカラスは2種類

マンション等のゴミ集積場の生ゴミを、我が物顔で漁っているカラス。
このカラスは『ハシブトカラス』という、口ばしが太いカラスです。基本的には雑食ですが、どちらかというと肉類を好んで食べるので、人間の食事の食べ残しは彼らにとっては大好物ということになります。
一方、口ばしの細いカラスは『ハシボソカラス』と呼ばれる種類で、こちらも雑食ですが、主に穀物の種や果実、虫などを主食にしています。
好みの餌が違うので、今のところは、概ね『ハシブト』は都会型、『ハシボソ』は農村型という形で住み分けています。ちなみに、日本で見られるカラスは5種類です。

point2:色も見分けるカラスの目

一般に哺乳類は色が識別できないことが多いのですが、鳥類は違います。特に網膜の視細胞が人などの哺乳類より優れているので、鳥類であるカラスは私たちよりはっきりと色を識別できるのです。
つまり、私たちが見る7色の虹も、カラスには14色以上に見えている可能性があるわけです。
都会のゴミを格好の餌にしているカラスですが、けっして無差別に荒らしているのではなく、しっかりと狙いをつけて生ゴミを漁っていることがよく分かります。
また、『鳥目』といえば夜目が見えないことを言いますが、カラスは違います。カラスの目はかなりよく薄暗い状態でも目が利くので、夜中にゴミ捨てなどして置くと、まだ暗い明け方に、餌を求めて集まってきます。

point3:黄色いゴミ袋に効果はあるのか

「黄色いゴミ袋は、カラスには見えない」と言われており、黄色いゴミ袋がカラス対策に効果があるように思っている方も多いかもしれません。
しかし、ただ単に黄色ければ何でも良いというわけではありません。
カラスは人間以上の色覚を持っています。そこで、カラスの目に見えにくい加工を施した特殊な黄色いゴミ袋が開発されました。
この特殊なゴミ袋は、カラスの目に映るある種の波長をカットしているため、袋の中身が見えにくく、中に餌となる生ゴミが入っていても識別できないように工夫されています。
このゴミ袋について、東京都杉並区では地元町会等と半年にわたる実験を行いました。同区では黄色いゴミ袋を杉並区の推奨としたことで清掃管理課に各地から問い合わせが寄せられています。また、大分県臼杵市では昨年3月より市の指定ゴミ袋として導入したところ、「カラスがいなくなった地域もある」(同市環境課)とその効果を認めています。

point4:カラス除けグッズはマメに交換

カラス除けのグッズには、テグス、防鳥ネット、吹流し、鳥の目玉を大きくしたような物、不要のCDを何枚も繋げてぶら下げた物、防鳥テープ、案山子などの置物、カラスの死骸、爆音器などなど、これまでに様々なグッズが考案されてきました。
こうしたグッズは、臆病で警戒心の強いカラスには一時的には効果があります。ただ、一日二日程度効果があったからといって、そのグッズを放置しておくと、早くて三日目には単なる脅しであることを見破ってしまいます。
そこでその対策ですが、カラスがグッズを覚えてしまう前に、次々と別のグッズに交換しましょう。そうすれば、脅し効果が持続してカラスが寄りつかなくなります。

point5:あきらめないで追い払おう

なぜ、これほどカラスが人を悩ませているかといえば、カラスが人に慣れてしまったからなのです。そこで、餌を漁っているカラスを見つけたら、徹底的に追い払いましょう。意を決して追い払い、人間は怖いものだという印象を植え付ければ、頭がよくて根が臆病なカラスは、追い払われるのが面倒なので他の場所に移動して行きます。
頭が良いということは、認識度が高いということですから、人間は怖いものだと認知させれば、カラスは容易に寄りついてきません。

カラスを追い払うイメージのイラスト