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昇降機のよくあるご質問:新設

エレベーター

エレベーター計画図面上に「フェッシャープレート」とありますが、これは何ですか。建築工事にて施工するものでしょうか。

かごの床先と昇降路壁の間には隙間がありますが、万一、かごが階の中間で止まってしまった時に、この隙間から人が転落することを防ぐため、この隙間を12.5cm以下に抑えるように建物側に鋼板等の板を取り付けます。これをフェッシャープレートと言います。
本プレートは基本的にはエレベーター工事(有償付加仕様)で施工します。

トランク付きのエレベーターは、住宅用(R型)の9人乗り以外でも計画できますか。

乗用、人荷用エレベーター、非常用エレベーターでも計画可能です。
なお、トランクについての規定は、下記の通りです。

  • イ)床面から天井までの高さが1.2m以下であること。
  • ロ)かごの他の部分とトランク床面の段差が10cm以下であること。
  • ハ)施錠装置を有する扉を設けること。
  • ニ)かごの奥行き(トランク部分の奥行きを含む。以下同じ。)が2.2m以下であり、かつ、トランク部分の奥行きがかごの奥行きの2分の1以下であること。

<平成12年建設省告示第1415号より>

なお、トランク内の幅は1.2m以下とし、ストレッチャー等の運搬に限られます。

遮炎性能および遮煙性能を有したエレベーター乗場戸はありますか。

国土交通大臣認定を取得した遮煙性能付きエレベーター乗場戸があります。

「遮煙性能付きエレベーター乗場戸」のページへ

防犯ガラス窓付きは特定防火設備の扱いになりますか。

特定防火設備の扱いにはならず、防火設備扱いとなります。

非常用エレベーターに付けられない管制運転はありますか。

火災時管制運転及び自家発時管制運転は付加することはできません。

  • 火災時管制運転 : 火災発生時に運転中のエレベーターを速やかに避難させ、その後の運転を休止させます。 
    したがって火災時に消火活動に供されるべき非常用エレベーターには付加できません。
  • 自家発時管制運転 : 1台分の自家発容量を複数台のエレベーターへ順番に切り替えて避難させる運転です。
    非常用エレベーターには台数分の予備電源を確保しなければならないと法規で決められておりますのでこの管制運転は付加できません。

非常用エレベーターの建物側予備電源は、何分間供給する必要がありますか。

非常用エレベーター全号機が同時に全負荷上昇できる電力を、60分間(連続)以上供給する必要があります。
<建築基準法施行令第129条13の3第10項の解説>

「オーバーヘッド」、「ピット深さ」、「機械室有効高さ」は、どの範囲の寸法を指しますか。

下図を参考にしてください。

  1. オーバーヘッド : 最上階乗降口の床仕上げレベルから昇降路頂部の床下端まで、床下に梁型が出る場合は梁の下端までの垂直距離
  2. ピット深さ : 最下階乗降口の床仕上げレベルからピット床仕上げ面(防水処理面)までの垂直距離
  3. 機械室有効高さ : 機械室床仕上げ面(シンダーコンクリート面)から天井、または梁の下端まで(トロリービームがある場合はビーム下端まで)の垂直距離です。

各部の寸法名称

ピットがカタログ寸法より深いのですが、問題ありませんか。

竣工検査の基準のひとつに、ピット床に設置する緩衝器(バッファ)とかごの底部との間隙に規定値があります。
ピットが深過ぎる場合(「設計施工のための資料」記載の最大値を超える場合)は、その規定値を超えますので、適正なピット深さでの施工をお願いします。

ピットの深さが不必要に深くなることは好ましくない。最下階床面にかごが停止した時のかごと緩衝器の距離は0.6m以下とすることが望ましい。
(建築基準法施行令 第129条の7 第一号 3.「ピット深さについて」より)

エレベーターピット床下部を居室、通路などに利用することができますか。

エレベーターピット床下部の利用について、かごまたは釣合おもりがピット床の緩衝器に衝突した場合、ピット床スラブのモルタル剥離、飛散、ピット床の損壊等が懸念されるため、ピット床下部の構造を想定される衝撃荷重に十分耐える構造にする等の措置が必要となります。これらの措置を講じた場合、ピット床下部は直下階を含めてさまざまな目的に利用できます。
詳細な条件等については、当社担当者までお問い合わせください。

エレベーターピットピット床下部利用の場合の措置の例

<令第129条の7 エレベーターの昇降路の構造 第一号 4 ピット床下部利用の場合の措置の例 昇降機技術基準の解説 2016年版より抜粋>

エレベーターピットの防水処理は、いかなる場合も必要ですか。

昇降路(ピット底部を含めて)が地盤と全く接しておらず、漏水のおそれがない場合には防水処理は不要です。
ただし、冷凍倉庫等にエレベーターを設置し、結露水がピットに滴下する場合には、防水処理および、排水ますを設けるなどの処理が必要です。その場合には、排水ますに格子ふたを設けるよう行政指導されています。なお、原則として一般のエレベーターピットには排水ますは認められておりませんのでご注意ください。

高齢者向けの専用マンションに寝台用エレベーターを設置できますか。

単なる高齢者向けのマンション(老人ホーム)であれば寝台用エレベーターの設置は認められないため、乗用エレベーター(トランク付き)で対応する必要があります。
しかし、マンション内にベッド・ストレッチャー等を使用する医療施設が計画されている場合は寝台用エレベーターの設置が認められます。
詳しくは当社技術員までお問い合わせください。

地震時管制運転装置はどのような働きをしますか?

地震発生時、強く揺れる主要動(S波)が来る前の、初期微動(P波)を感知し、最寄り階で自動停止。戸を開き、利用者の避難を誘導します。主要動を感知しない弱い地震のときは、一定時間が過ぎた後、自動的に運転を再開します。また、強い地震のときは、専門の技術者による点検が終わるまで、戸を閉じて運転を休止します。
万が一、エレベーターに閉じ込められた場合は、操作盤に設置の非常ボタンを押して外部に通報し、救助をお待ちください。

地震対策

エレベーターの耐震クラスについて教えてください。

災害復旧支援活動の拠点となるような建築物の場合、地震のあと速やかに機能を回復しなければなりません。そのような建築物に設置されているエレベーターについては、機能回復程度をランク分けし、建築主の要求に応じ対応できるようにしました。このランクを耐震クラスといいます。
「昇降機耐震設計・施工指針(2016年版)」の耐震クラスの目安を以下に示します。

エレベーターの耐震クラスの表

遮煙性能付きエレベーター乗場戸を採用する場合、停電時自動着床装置と火災時管制運転を必ず付加しなければならない理由は何ですか。

昇降路で竪穴区画を形成する場合、火災時(煙感知器が作動した場合)乗場戸を速やかに閉じる必要があります。
また、火災により停電になっても乗場戸を閉じた状態にする必要があるため、停電時自動着床装置が必要となります。

エレベーターのかごの床面積と積載荷重の関係について教えてください。

エレベーターのかごの積載荷重は、かごの種類に応じて、次の表の数値を下回ってはならないと規定されています。
<建築基準法施行令第129条の5の2>

エレベーターのかごの床面積と積載荷重の関係表

エスカレーター

エスカレーターおよび動く歩道(オートライン)の公称輸送能力とは何ですか。

公称輸送能力は定格速度に応じ下表の数値とされています。
公称輸送能力とは輸送が可能な理論上の最大輸送人数であり、エスカレーターの場合、全踏段に1段あたりS600形では1人、S1000形では2人乗ったとして計算した輸送人数です。
動く歩道(オートライン)の場合は、踏段の進行方向長さ400mmに対しS600形では1人、S1000形では2人が連続して乗った状態での輸送人数で、 定格速度に応じ下表の数値とされています。
なお、実際の輸送人数は公称輸送能力に対し、乗込率を乗じた人数となります。乗込率は、一般的に鉄道駅など交通施設のラッシュ時で80%、平均的には50%程度です。
<建築基準法施行令第129条の12 ≪設計上の留意事項≫(2)>

エスカレーターおよび動く歩道の公称輸送能力表

屋外設置のエスカレーターは「屋根なし」でも問題ありませんか。

屋外環境下においては、降雨、降雪時に踏段面が滑りやすくなり利用者の体勢が不安定になる恐れがあります。また管理面において機器の寿命を延ばし安全運行を維持するため、原則的にはエスカレーター上部への屋根の設置を推奨します。

「VXシリーズエスカレーター」のページへ

エスカレーターは階段の代用になりますか。

エスカレーターは、法で定められた階段の代用にはなりませんので、避難階段等、階段設置が必要な場合には、エスカレーターとは別に階段の計画が必要となります。

エスカレーターに自動運転を付加したいのですが、光電ポールを設置しなくて良い方法はありますか。

光電ポールが不要な「無人時微速運転」があります。
無人時微速運転は、利用者がいないときには10m/minという微速度で運転し、欄干足元に設置したセンサーが利用者を検知するとインバーター制御により30m/minに緩やかに加速する運転です。また、利用後一定時間で自動的に10m/minに戻ります。

「エスカレーター VXシリーズ(省エネルギー・環境対応)」のページへ

エスカレーターの最大勾配を35度以下としている理由は何ですか。

勾配を大きくすることは設置に必要な寸法を小さくできるメリットがある反面、利用者の心理的な負担の増加を伴うため、最大勾配35度以下と定められています。
<平成12年建設省告示第1413号第2第一号イの解説>

勾配が30度を超えるエスカレーターにおいて、揚程を6m以下としている理由は何ですか。

利用者の心理的な負担は勾配だけではなく、揚程によっても影響を受けます。
勾配が大きくなった分、揚程に制限を設けて利用者の心理面に配慮したものです。
<平成12年建設省告示第1413号第2第一号ハの解説>

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