待機電力(無負荷損)を
約7割低減し
省エネを実現
CO2排出量を
大幅削減し
環境負荷を低減
新たな
変圧器設置により
メンテナンスがスムーズに
小田急電鉄株式会社が運営するショッピングセンター「新宿西口駅前ビル(ハルク)」。同施設の変圧器が更新時期を迎えたため、超高効率の「アモルファス変圧器」へとリニューアルしました。その経緯について、同施設の管理を担っている小田急デパートサービス株式会社の小野澤直之氏、矢﨑豪氏にお話を伺いました。
新宿西口に面した「新宿西口駅前ビル(ハルク)」(以下「小田急ハルク」)は、レストランやスポーツ専門フロア、大手家電量販店などを有する複合商業施設。施設内には4カ所の変電室が設けられ、電力会社からの高圧電力を一般に使われる電圧に変換する変圧器が日夜稼働しています。いわば、建物の心臓部といえる変圧器。その役割の重さから、故障やトラブルはなかったものの、設置から約25年経過し更新時期を迎えていたため、予防保全を目的としてリニューアルを実施しました。新たに導入されたのは、先進素材アモルファス合金を採用した日立の「アモルファス変圧器」です。稼働時の効率アップはもちろん、稼働率が低いときの待機電力(無負荷損)も大幅に削減した超高効率変圧器です。小田急ハルクのオーナーである小田急電鉄株式会社は、日頃より環境への配慮を重視していることからこの変圧器の省エネ性に注目し、導入を決定しました。
変電室が4カ所あるため、工事は数年にわたり実施しました。実際の工事では、作業のために停電できるのは夜間の3時間に限られていました。また、建物の構造と機器の大きさの関係で、搬入が難しいといった制約がある中で、工期を分割するなど工夫しながら工事を進めました。「商業施設の変圧器は電力使用量が減る夜間も待機状態で稼働を続け、かなりの電力ロスが発生します。『アモルファス変圧器』はその待機電力の省エネに優れているようで、交換前の変圧器と比較して電力ロスが約70%低減され、CO2排出量も1カ月当たり約1トン削減されるという結果が出ました。変圧器は365日稼働しているので、この省エネ効果は大きいですね」(矢﨑氏)また、入れ替えで変圧器をオープンタイプにしたため、メンテナンス作業時の安全性が高まったといいます。
入れ替え工事は、停電可能な午前1時~4時までの間に実施。
狭い搬入経路や構造的に設置しにくい変電室で、工夫しながら納入した
「変圧器をはじめとする電気設備は、商業施設にとってまさに生命線といえます。引き続き予防保全に力を入れるために更新時期や推奨機器を常に把握し、安全・安心・快適な環境づくりに努めていきます」(小野澤氏)
様々な制約の多い工事でしたが、事前打ち合わせや作業中のコミュニケーションを大切にし、円滑に進行していただきました。
小田急デパートサービス株式会社
設備管理業務部 ハルク設備管理課
電気係長 エネルギー管理士
小野澤 直之氏
今後更新予定の変圧器はさらに制約が厳しいのですが、日立さんと相談しながら進めていきたいと思います。
小田急デパートサービス株式会社
施設営業部 施設営業第一課
営業第一係 主任
矢﨑 豪氏
次回の更新の際にも、お客さまの業務への影響を最小限に抑えながら工事がスムーズに進むように努めていきます。
株式会社日立ビルシステム
営業企画本部 ソリューション営業部
課長代理
武政 勲
広報誌BUILCARE No.205より