
新しい価値は、しなやかな発想の実現から生まれます。日立ビルシステムでは、多様な働き方やバックボーンを互いに認め合い、すべての社員が存分に力を発揮できる組織づくりを推進しています。そのひとつが女性の活躍支援です。キャリアもライフスタイルも異なる3名の女性社員に集まってもらい、働く女性としてのやりがいや、会社の取り組みについて語ってもらいました。
2017年9月に1年半の出産・育児休暇を取得し、2019年4月から職場復帰。子ども一人。多岐にわたる人事総務の業務の中で、ダイバーシティ推進プロジェクトに携わっている。
大槻 私がまだ新人だった頃、ダイバーシティ推進に向けた取り組みの一環として、吉田さんにインタビューしたことがあります。その時、「進捗のチェックなど部下と接することは子育てに通じる」とおっしゃったことが印象的で、素敵な考えだなと思った記憶があります。
吉田 うちの子が小学生になった頃ですね。やはり子どもはまだできないことが多く、それを怒ってはいけないんです。仕事も同じで、部下に対してできることもできないことも認めてあげることが大切です。そういう意味では、子育てしながら仕事をすることは良い環境だったと思います。
大槻 私も今、2歳の子どもがいて、ダイバーシティ推進にも携わっています。自分の子育ての経験も含めて、いろいろな意見があることを広く伝えられたらと思って取り組んでいます。
現在は多様な価値観を認め合おうという風土づくりが中心ですが、今後は仕事自体にも目を向け、働き方改革の推進チームと連携していこうと進めています。女性が働きやすい会社は、男性にとっても働きやすい会社ですから。2年目の高比良さんはどんなことを感じていますか?
高比良 これから自分が産休や育休をどう使っていくのか、はっきりしたビジョンはまだありませんが、営業部門にも頼もしく広い心で接してくださる女性の上司が多いと感じています。私も、将来は仕事と家庭を両立して働き続けたいと考えています。
入社12年目に出産・育児のため1年2カ月休職後、職場復帰。子ども一人。ソリューション事業部の課長職として、カスタマイズ設計およびアプリケーションソフト製作を担当。
吉田 産休・育休は制度としてありますが、当社の良さは制度を充実させて終わりにするのではなく、それが社員に浸透してチームワークで助け合っていることです。例えば、子どもが熱を出して保育園から突然連絡が入ったら、すぐに迎えに行かないといけません。周りの人の助けがあったからこそ、子育てと仕事を両立し続けてこられたと思います。
大槻 当社は、仲間になった時に本当に優しいですよね。きちんと人間関係をつくれば、皆さん、とても良くしてくれる会社だと思います。私はついつい仕事を抱え込んでしまうタイプで、限界を迎えて初めて「すみません、お願いします」と言ってチョコレートを配って助けを求めたりするんですが(笑)。吉田さんは、子育ての先輩として何か工夫していたことはありますか?
吉田 いつ何が起こっても助けてもらえるように、パソコンの共有フォルダの中にメモを残すことを習慣にしていました。ファイル名に簡単な説明文をつけておいて、ファイルを開かなくてもわかるようにしておくんです。こうしておけば、私が席を外してしまっても、引き取る人に同じクオリティで仕事を継続してもらえます。
高比良 それ、周囲が助けやすくなりますね。私も今、どうしたら働きやすくなるか試行錯誤しているところなんです。上司に相談したら、「自分がやらなくてはならないことと、人に振ったほうが良いこと、自分でなくてもできることを明確にしておけば、大変な時に周りが助けることができるから、その管理をできるようになろうね」と言われました。吉田さんのお話からもヒントをいただけたように思います。
昇降機の新設販売、保全、修理、リニューアル、ビル設備に関する営業を担当。働きやすい職場環境を実感しつつ、自身もさらなる職場環境の改善を模索している。
高比良 就職にあたり、私はメーカーを受けるつもりはなかったんです。偶然行った説明会での雰囲気の良さに感動して、入社に至りました。入社してからも、手厚い教育制度や福利厚生のおかげで安心して働けています。仕事を覚え始めた今は、担当するエレベーターという商材や、お客さまにとても愛着が湧いてきて、仕事が本当に楽しいです。でも、この先、出産や子育てで休職することがあったら、ちゃんと職場復帰できるかなという心配もあります。
吉田 確かに、戻ってきたら部署を異動させられていて、周りが初めての人ばかりだったら不安ですよね。私も同じ心配をしていたのですが、同じ部署に戻れました。そういう配慮がある会社だと思います。また、職場復帰する上では昇降機や仕事への愛着も大事で、私もプログラミングの達成感が楽しくて、大きなモチベーションになりました。
復帰してからも、育児のために在宅勤務をしたり、打ち合わせや会議をスカイプで行ったことがあります。
大槻 在宅勤務に加えて、フレックスタイムに対する寛容さもあるので、とても働きやすくなっていると感じます。また、男性社員が育児休暇を取得されることももちろんあります。働くのは必ずしもオフィスでなくていい、子育てをするのは女性だけでなくていい、そうやって“こうあるべき”がひとつずつ解消されていけば、もっと働きやすくなりますよね。これからも働き方が多様化し、社員全員にとって、働きやすい職場環境づくりがさらに進むことを期待しています。