V2X(Vehicle to X)は、自動車とさまざまなモノとの接続や相互連携を行う技術です。
日立が提供するHybrid-PCSを中心としたV2Xシステムをご紹介します。
日立のHybrid-PCS(Power Conditioning System)は、
太陽光発電設備用と蓄電池用の2つのPCS(直流交流交換装置)を一体化したシステムです。
さらに、本システムでは、停電時に電気自動車のバッテリーを利用して
エレベーターや給水ポンプなどのビル設備に電力を供給することができます。
通常時は、系統電力や太陽光発電からHybrid-PCSを通じて電気自動車のバッテリーや、定置型蓄電池の充電を行うことができます。
普通充電 | 急速充電(本製品の仕様) | ||
---|---|---|---|
充電器 | 3kW | 6kW | 10kW |
充電時間*2 | 約16時間 | 約8時間 | 約5時間 |
日本政府は、電気自動車を含む電動車の新車販売に占める比率を2030年代半ばには100%にすることを目標にしています。
2019年 | 2030年 | 2030年代半ば | ||
---|---|---|---|---|
従来車 | ガソリン車、ディーゼル車 | 60.8% | 30~50% | 0% |
電動車 | ハイブリッド車(HEV) | 34.2% | 30~40% | 100% |
電気自動車(EV) | 0.49% | 2~30% | ||
プラグインハイブリッド車(PHEV) | 0.41% | |||
燃料電池車(FCV) | 0.02% | 3% | ||
合計 | 100% | 100% | 100% |
出典:日本政府の電動車普及目標資料等から当社まとめ
東京都は、2025年4月から都内で建設される新築マンションなどの駐車場に電気自動車充電設備の設置を義務付けています。この義務化は全国の自治体で初めてのもので、大手住宅メーカーやマンションデベロッパーなどが対象となります。
大規模 | 中小規模 | ||
---|---|---|---|
延床 面積 |
2,000m2以上 | 2,000m2未満 | |
制度 | 建築物環境計画書制度 | 建築物環境報告書制度 | |
前提 (駐車場 台数) |
5台以上の専用駐車場 | 1台以上の共用駐車場 | 10台以上の駐車場 |
設置 義務 |
20%以上の充電設備(上限10台) | 1台以上の充電設備 | 1台以上の充電設備 |
※ 戸建て住宅に関する内容および配管整備に関する内容は除く。
出典:国土交通省Webサイト、東京都Webサイト等から当社まとめ
太陽光発電と定置型蓄電池や、電気自動車のバッテリーに蓄電した電力を活用することで、最大デマンド*1を超えないピークカットを実現します。これにより、契約電力や電気従量料金の削減へとつなげることもできます。
東京都では2025年4月から新築住宅などへの太陽光発電設備の設置や断熱・省エネ性能の確保などを義務化。
義務 主体 |
対象 | 参考 【低炭素建築物認定制度】 |
---|---|---|
建築主 | 延床面積300m2以上の新築・増築時 | 「再生可能エネルギー利用設備の導入」 が必須要件 →太陽光発電設備が最も現実的な設備 |
請負 事業者 |
延床面積2,000m2未満の新築住宅 |
出典:国土交通省Webサイト、東京都Webサイト等から当社まとめ
太陽光発電システム・電気自動車充電器を設置するケースにおいては、電気自動車のバッテリーが蓄電池の代わりとなるため、Hybrid-PCSの導入が経済性で優位です。
災害などによる停電時、電気自動車に搭載されているバッテリーの電力をエレベーターに供給し、約15時間運転が可能*1です。 また、ポンプに給電*2することで、1時間31分連続稼働させ、約100世帯が1日生活可能な水(送水量21,171リットル*3)が使用可能です。
マンション購入者意向者アンケート防災機能が検討時の重要なポイント!
2019年 アンケート結果 | 2014年度比 | ||
---|---|---|---|
1位 | 駅から近いこと | 40.0% | +4.0% |
2位 | 日照や採光が良いこと | 28.2% | -3.8% |
3位 | 免震構造など、 耐震性が高いこと |
27.1% | -0.7% |
4位 | 災害(台風、水害など) に強いことマンション購入予定者が求める購入条件「災害に強いこと」が 第4位に急上昇! |
26.2% | +7.2% |
5位 | 資産価値の高い エリアであること |
25.8% | +5.8% |
6位 | 日常の買い物が便利なこと | 25.4% | +1.9% |
7位 | 日常の買い物が便利なこと | 24.9% | +1.8% |
8位 | セキュリティが 充実していること |
24.6% | +1.8% |
9位 | 信頼できる建設会社が 施工していること |
24.6% | -0.9% |
10位 | 信頼できる管理会社 であること |
22.1% | +1.3% |
11位 | 住みやすい間取りであること | 20.9% | -1.4% |
12位 | 収納スペースが 充実していること |
19.2% | -1.1% |
13位 | 住居の専有面積が 十分であること |
18.0% | -0.8% |
14位 | 通勤時間が短いこと | 15.7% | -1.6% |
15位 | 周囲が静かなこと | 13.2% | -1.9% |
16位 | 災害時の対策・ 防災設備の配備が されていること |
13.2% | +2.6% |
出典:メジャーセブンのマンショントレンド調査 Vol.31「マンション購入意向者に聞く、新築分譲マンション購入に際しての意識調査(2019年度)」より抜粋
マンション総合EXPO来場者アンケートでは、停電時には「水」「エレベーター」が必要という意見が8割以上の結果に。
出典:レジル株式会社によるアンケート調査「『マンション停電時』に使用できたら良い共用設備」より抜粋
https://rezil.co.jp/news_release/976/
自家発電設備を自主設置する場合、Hybrid-PCSが代替可能です。
※ 法令による設置の際は、非常用自家発電設備が必要となります。
法令による設置(防災用)
法令要件を満たす建築物に設置が義務化
使用用途:スプリンクラー、消火設備、非常用エレベーターなど
代替不可
自主設置
(機能維持目的)
事業活動、生活の維持を目的に自主的に設置
使用用途:給水ポンプ、乗用エレベーターなど
Hybrid-PCSでの代替が可能
ディーゼル 発電機 |
ガス 発電機 |
Hybrid-PCS | ||
---|---|---|---|---|
エネルギー源 | 軽油 | LP ガス | 系統電力・ 太陽光・ バッテリー |
|
ランニング コスト |
燃料費かつ 定期的な 入替が必要 |
燃料費 | 電気代・ ガソリン代を 削減 |
|
平時利用 | 基本無し | 基本無し | 日常的に利用可能 (電気自動車 充電・ 太陽光発電) |
|
その他 | メリット | 大出力に 対応可 |
( ディーゼルと比較すると) メンテナンスが容易 |
・基本的に メンテナンスフリー ・主任技術者等が 不要 ・補助金拡大傾向 |
デメリット | 主任技術者・ 保安規定・ 定期メンテナンスを 要する |
主任技術者・ 保安規定を要する |
大出力には不向き 電気自動車1台からの出力値に上限あり (10kW未満) |