2010年3月23日
制御盤・駆動機を最新のインバーター制御方式に更新するとともに
工期と工事費を大幅に低減した、
エスカレーターの「制御リニューアル」を提供
省エネ性・安全性を向上したリニューアル適用機が
三菱UFJ信託銀行姫路支店で稼働開始
株式会社日立ビルシステム(取締役社長:池村敏郎/以下、日立ビルシステム)は、経年化したエスカレーターの改修工事において、制御盤、駆動機を最新のインバーター制御方式に更新し、省エネルギー性と安全性を向上する「制御リニューアル」を、三菱UFJ信託銀行姫路支店のエスカレーターに適用し、3月23日から稼働を開始しました。今回行った「制御リニューアル」は、一部の部品の入れ替えでエスカレーターを改修できるため、従来の改修方式に比べ、工期を大幅に短縮でき、改修費用も低減することができました。
現在、日立ビルシステムが保全契約しているエスカレーターのうち、設置から25年以上経過したエスカレーターは約5,200台ありますが、これらは、最新のエスカレーターと比較すると消費電力量が大きく、CO2排出抑制など地球温暖化防止の観点からも、改修のニーズが高まっています。従来、エスカレーターの改修工事には、エスカレーター全体を一式交換する撤去新設工法か、既存のフレームを残したまま、部品を全面的に入れ替える工法が用いられていましたが、これらは工事の規模が大きく、改修完了までにエスカレーターを約1ヶ月間停止させる必要がありました。このため、長期間エスカレーターを停止すると運営に大きな支障が生じる商業施設などでは、経年化したエスカレーターを、最新型エスカレーターに改修しにくいという問題がありました。
株式会社日立製作所(執行役会長兼執行役社長:川村 隆)が2008年1月に発売開始した最新型エスカレーター「VXシリーズ」においては、エスカレーターの運転制御にインバーター方式を採用しています。運転制御にインバーター方式を用いることにより、利用者数などに応じてきめ細かく動力を制御することができ、高い省エネルギー性を実現するとともに、緊急停止の際にもゆっくりと減速して停止させることで利用者の安全性を高めています。今回稼働開始したエスカレーターでは、既存エスカレーターの制御盤、駆動機を「VXシリーズ」のものに入れ替えることにより、部分的な改修で、最新エスカレーターの省エネルギー性能と高い安全性を導入することができました。
具体的には、運転制御をインバーター方式に更新することで、消費電力を最大で約20%低減 *1することができます。安全面においては、安全装置が作動してエスカレーターが緊急停止する際に、ゆっくり停まることでショックを和らげるソフトストップ機能 *2などが新たに付加されます。さらに、一部の部品入れ替えで改修が可能なため、従来の改修に比べ、工期と費用も大幅に低減することができます。今回実施した、三菱UFJ信託銀行姫路支店向けの工事は、土曜日、日曜日の定休日の夜間を中心に、6日間 *3の工期で完了しました。これは、エスカレーターを撤去新設する場合の工期の約5分の1です。さらに、交換部品が少なくて済むことや、工期が短いことなどにより、改修費用を約3分の1*4に抑えることができました。
日立ビルシステムでは、運転停止期間などが妨げとなって改修が進まなかったエスカレーターに対して、今回の「制御リニューアル」をはじめ、ステップ、欄干なども随時最新型に更新していく「段階的リニューアル」の提案を進め、経年化したエスカレーターの若返りを促進していきます。
株式会社日立ビルシステム 昇降機事業部 事業企画部 (担当) 梅沢
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