高効率運転により
省エネルギー性が
向上
機器の自動化により
利便性が
格段にアップ
最新機器への
刷新で快適な
環境を提供
東京以北最大級の宴会場を有するコンベンション専用の高層シティホテルとして1992年に開業し、現在では一般の宿泊客も迎え入れているロイトン札幌。開業時から稼働していたナチュラルチラー(吸収式冷凍機)の老朽化にともない機器を一新しました。その経緯について、同ホテルの業務部 業務課 課長の近藤俊幸氏にお話を伺いました。
ゆったりとした間取りに定評がある294室の客室をはじめ、国際会議や医学会など大型コンベンションにも対応する数々の宴会場、4階まで吹き抜けのカフェやレストランなどを有するロイトン札幌。ぜいたくな空間が広がる館内の冷房を2台のナチュラルチラーが担ってきました。導入時からトラブルもなく稼働していましたが、2017年の夏、機器に不調を来しました。「その年はなんとか乗り切りましたが、既設機は1991年製と古いことから、故障箇所の改修では安定的な運転が懸念されると判断。更新が必要との結論に達しました」(近藤氏)。既設機と同じ容量の蒸気焚吸収式冷凍機450RT(冷凍トン)2台の導入を決めたものの、空調の機械室は地下2階の駐車場の奥にあり、搬入経路には制約がありました。「搬入口の狭さや駐車場のスロープなど問題が多く、大型機器を搬入できるか不安でしたが、日立さんから機器を4分割して搬入し、機械室で組み立てるというご提案をいただきました」(近藤氏)。
工事期間は冷房を必要としない冬季とし、翌年のゴールデンウィークの稼働をめざして綿密に搬入計画を立案。機器を4分割しても1ブロックの重量は最大で約6.5tにもなるため、クレーン車によるつり下げ作業やスロープの運搬方法など事前に細部までシミュレーションし、工事に臨みました。「大がかりな工事でしたが入念に準備していただき、計画通りに進みました。新設機導入後は消費エネルギーを約20%削減できましたし、以前は手動で行っていた操作が自動化されるなど、運用面での利便性も格段に向上しました」(近藤氏)。また、最新機器を導入したことにより、お客さまに快適な環境を安定的に提供できるようになったことも大きな成果と感じているそうです。
新設機の搬入
4分割した新設機を
クレーン車やウインチを使って搬入
新設機の組み立て
設置スペースにも様々な制約があったが、
工夫しながら搬入し、組み立てを実施
「現在、宿泊客の4割を占める外国のお客さまは室温に対する体感が異なります。いずれは個人のニーズに合わせた空調を導入するなど、非日常を演出するホテルとして最上のおもてなしでお迎えできればと考えています」(近藤氏)
大がかりな工事でしたが常に進捗状況や作業予定をお知らせいただきましたので、工事に対する不安は一切ありませんでした。
大和リゾート株式会社
ロイトン札幌
業務部 業務課 課長
近藤 俊幸氏
ホテルの営業を続けながらの工事でしたが、日程の調整など多大なご協力をいただき、無事に完了できました。
株式会社日立ビルシステム 北海道支社
ビジネスサポート本部 ビジネスサポート第三部
東日本グループ 部長代理
大玉 智也
北海道地区では初めて機器を4分割にしての搬入となりました。今後もご要望に応えられるよう尽力します。
株式会社日立ビルシステム 東日本支社
フィールドサービス部
冷熱技術グループ 北海冷熱係
楠本 拓也
広報誌BUILCARE No.209より