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Hitachi

株式会社日立ビルシステム

2017年9月20日

延長フレームを用いた新工法で既設エスカレーターの耐震性能を強化

イオンモール甲府昭和のエスカレーター14台を改修

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耐震強化工事後のイオンモール甲府昭和のエスカレーター

株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)と株式会社日立ビルシステム(取締役社長:佐藤 寛/以下、日立ビルシステム)は、イオンモール甲府昭和(山梨県中巨摩郡昭和町)において、清水建設株式会社の協力により、延長フレームを用いて既設建物の改造工事を最小限にとどめた新工法による既設エスカレーターの耐震強化工事を実施し、14台*1のエスカレーターを改修しました。本工事は既設のエスカレーターに対し大規模な工事を伴わずに耐震性能を強化する新しい工法を採用した初めての事例となります。

一般にエスカレーターは、その上端と下端をそれぞれ建物のはりにかけて設置していますが、大規模な地震動などにより建物が大きく揺れると、エスカレーターの端部が建物のはりから脱落する恐れがあります。2011年3月の東日本大震災を受け、2014年4月には想定される建物の層間変形角*2を最大で1/24とするよう、国土交通省から告示がありました。これは従来の業界耐震基準である1/100に対し約4倍の揺れを想定したもので、新設エスカレーターはもちろん、既設のエスカレーターにおいても、十分なかかり代の確保が必要となります。しかし、既設エスカレーターのかかり代を延長するためには、建物にエスカレーターを支える追加はりの設置を必要とするなど、大規模な改造工事が必要になるケースがあり、これが既設エスカレーターの耐震強化工事における課題のひとつとなっています。

図1.一般的なエスカレーターの設置状態

こうした中、日立と日立ビルシステムは、既設エスカレーターの既存不適格*3状態を解消し、耐震強化を望むビルオーナーや管理者に向けて、既設建物への改造工事を最小限とし、工期も短縮できる耐震強化技術の開発を進めてきました。2016年7月に既設エスカレーター本体に金属製の延長フレームを設置する耐震強化工法を開発しました。この新工法の採用により、エスカレーターを下から支える追加はりの設置が不要となり、既設エスカレーターの耐震強化における建物の改造工事を最小限にして、工期も短縮することが可能となります。

左:図2.従来の工法(エスカレーターの下に建物の追加はりを設ける工法)、右:図3.今回の工法(エスカレーターに延長フレームを設ける工法)

イオンモール株式会社では、イオンモール甲府昭和の増築に伴う既存建物の法的遡及措置として、エスカレーターの耐震強化を検討していました。今回、工事の簡素化を図るため、日立と日立ビルシステムが開発した延長フレームを用いた建物の改造工事を最小限とする、既設エスカレーター耐震強化工法が採用されました。

今後、日立と日立ビルシステムは、既設エスカレーターの既存不適格の状態を解消し、耐震強化を行いたいビルオーナーや管理者へ本工法を積極的に提案し、従来困難とされていたエスカレーターの耐震強化を促進していきます。

*1
耐震強化工事は全18台に対して実施し、その内14台で本工法を適用。
*2
地震時に建築物が水平方向に変位した量を、階高で割った値。例えば階高が5000mm、変位量が50mmの場合、層間変形角は50/5000=1/100となる。
*3
国土交通省が耐震基準に関する告示を出した2014年4月以前に納められたエスカレーターが対象。

本件お問い合わせ先

株式会社日立ビルシステム カスタマー・サポートセンター
電話:0120-7838-99(フリーダイヤル)