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ニュースリリース:2012年


2012年10月9日

エレベーターかご内の異常行動をより高精度に検知する新サービス
「ヘリオスウォッチャーi(アイ)」を提供開始

 株式会社日立ビルシステム(取締役社長:佐々木 英一/以下、日立ビルシステム)はエレベーターかご内での利用者の異常行動を検知するシステム「ヘリオスウォッチャー」の精度を更に向上させた「ヘリオスウォッチャーi(アイ)」を開発し、11月1日からエレベーターメンテナンスの新サービスとして提供を開始します。「ヘリオスウォッチャー」では、かご内に設置されたカメラの映像を画像解析することで異常行動を検知していましたが、「ヘリオスウォッチャーi」では、これに加え、かごの振動を異常判定に取り込むことにより、従来以上に高精度な検知を実現しました。

「ヘリオスウォッチャーi」提供開始の背景

 2006年4月に発売した「ヘリオスウォッチャー」は、株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)が開発した高精度な画像解析技術の活用により、エレベーターかご内に設置されたカメラで撮影した利用者の行動と、事前に登録してある正常行動とを照らし合わせて、利用者の“あばれ”や滞留などの異常行動を検知し、音声による注意喚起、および最寄り階または指定階への緊急停止を行うシステムです。しかし、「ヘリオスウォッチャー」はカメラ映像から異常行動を検知するため、本来は正常行動であるカメラ近くでの上半身の大きな動作(ストレッチ、ゴルフの素振りなど)を異常行動として検知してしまうことがありました。そこで、「ヘリオスウォッチャーi」では従来のカメラ映像の画像解析に加え、“あばれ”などで発生しやすいかごの振動を異常判定に取り込むことで、検知精度の向上を図りました。

「ヘリオスウォッチャーi」の概要

 従来の「ヘリオスウォッチャー」は、異常行動の判定にかご内に設置されたカメラ映像の画像解析による動作検知を活用していましたが、「ヘリオスウォッチャーi」ではこれに加え、かご床にかかる荷重を測定する重量センサーの情報を利用したかごの振動検知を組み合わせて異常行動の判定を行います。具体的には、かごの振動が予め設定した値を超えるとカメラ映像の画像解析による動作検知を実施し、両方とも異常と判定された場合に“あばれ”などの異常行動と判断します。「ヘリオスウォッチャーi」は、動作検知と振動検知という2つの処理を組み合わせて判断することで、検知率*1を従来の95%以上から98%以上へ向上させました。こうした改良により、正常行動を異常行動と判定してかごを最寄階に停止させるといった、利便性を損なう事象の発生頻度を低減することができました。

 なお、「ヘリオスウォッチャーi」を用いたエレベーターかご内異常行動検知サービスは、日立の最新式*2標準型エレベーター「アーバンエース」において、日立ビルシステムが提供する「スーパーヘリオスメンテナンス*3」を契約した場合に、オプションメニューとして提供するものです。

  1. エレベーターかご内で起こりえるさまざまな正常行動を、正常行動として正しく検知する率。当社調べ。
  2. 適用対象は2012年3月以降に発売されたモデルとなります。
  3. エレベーターの機能や運転状況を24時間365日遠隔で監視・診断するシステム「ヘリオス」と、熟練したメンテナンスエンジニアによる保全技術を連携させた昇降機保全サービスです。

図 「映像」と「振動」によるあばれ検知のイメージ

「映像」と「振動」によるあばれ検知のイメージ

「ヘリオスウォッチャーi」の特長

  1. “あばれ”検知
    利用者の“あばれ”などを検知し、音声での注意喚起を行いつつかごを最寄り階に停止させ、ドアを開きます。従来のカメラ映像の画像解析に加え、かごの振動を異常判定に取り込むことで検知率*1を従来の95%以上から98%以上へ向上させました。
  2. 滞留検知
    利用者の急病などによる倒れこみといったかご内の滞留を検知し、音声での注意喚起を行いつつかごを指定階まで運転し、ドアを開きます。

お客様からのお問い合わせ先

株式会社日立ビルシステム 昇降機保全事業部 事業企画部[担当:長沼、岩澤、難波]
〒101-8941 東京都千代田区神田美土代町7番地
TEL 03-3219-9103(直通)

本件に関するお問い合わせ先

株式会社日立ビルシステム 法務部[担当:野中、小川]
〒101-8941 東京都千代田区神田美土代町7番地
TEL 03-3219-9176(直通)

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