ニュースリリース：2011年
2011年7月20日
計画停電による閉じ込めの防止を目的とした
「エレベーター遠隔休止サービス」を提供開始
株式会社日立ビルシステム（取締役社長：佐々木英一／以下、日立ビルシステム）は、電力需給の逼迫に伴い実施される可能性のある計画停電に備え、エレベーター利用者がかご内に閉じ込められることを未然に防止する「エレベーター遠隔休止サービス」を7月20日から提供開始しました。計画停電開始時にエレベーターが利用されていた場合、エレベーターが停止し利用者がかご内に閉じ込められるおそれがあります。本サービスは、エレベーターリモートメンテナンスシステムの技術を活用し、計画停電開始の約10分前にエレベーターを遠隔操作で休止することにより計画停電に伴う閉じ込めを防止し、利用者により一層の安心を提供します。
「エレベーター遠隔休止サービス」提供開始の背景
東日本大震災の影響による電力需給の逼迫に伴い3月に計画停電が実施された際には、ビル所有者やビル設備管理者に停電時間帯のエレベーターの利用中止をお願いしていましたが、計画停電開始時にエレベーターを利用されていたお客様がかご内に閉じ込められる事態が発生しました。この夏、再び計画停電が実施される可能性が高まっていることから、あらためて計画停電対象地域におけるエレベーター利用者の閉じ込め防止対策が重要となっています。
停電時の利用者の閉じ込めを防止するエレベーターの機能として「停電時自動着床装置」があります。これはエレベーター走行時に停電になった場合、エレベーターが一旦停止した後、専用バッテリを用いてエレベーターを最寄階まで自動的に運転してドアを開くものです。停電による閉じ込め防止に有効な機能として、日立ビルシステムは以前から、新設エレベーター販売時に標準仕様として取り付けを推奨し、また既設エレベーターのリニューアルを通じて「停電時自動着床装置」の普及拡大に取り組んでいます。
一方、「停電時自動着床装置」を装備していないエレベーターの場合、最も確実な閉じ込め防止策は計画停電の開始前にエレベーターを休止させることですが、専任の設備管理者が不在のビルでは、この休止措置の実施が難しいという課題があります。
今回提供を開始した「エレベーター遠隔休止サービス」は、計画停電の開始前にエレベーターを遠隔操作で休止するものです。これにより、エレベーター利用中の突発的な停電対応だけでなく、計画停電に対する事前対応も可能とし、一層の安心を提供することができるようになりました。
「エレベーター遠隔休止サービス」の概要
本サービスでは、電力会社から計画停電の実施が発表された際に、エレベーターリモートメンテナンスシステムの技術(「スーパーヘリオスメンテナンス」(*1)による運転状態監視・制御機能)を活用し、日立ビルシステムの管制センターから遠隔でサービス対象のエレベーターに休止スケジュール制御指令を伝送することで、計画停電開始の約10分前にエレベーターを休止させます。また復電時には、計画停電終了予定時間前であってもエレベーターの休止を自動解除し、平常運転に復帰させます。
本サービスは、株式会社日立製作所の最新式標準型乗用エレベーター「アーバンエース」(*2)および最新のリニューアルエレベーター(*3)において、日立ビルシステムが提供するリモートメンテナンスシステム「スーパーヘリオスメンテナンス」を契約しているお客様のうち、事前に本サービスの導入を了承いただいたお客様に対し、無償で提供します。
「エレベーター遠隔休止サービス」のシステム概要
「エレベーター遠隔休止サービス」の特長
- 電力会社から計画停電の実施が発表された際、各計画停電グループごとのスケジュールに合わせて、計画停電開始の約10分前から遠隔操作で対象のエレベーターを休止させます。
- 計画停電終了後の復電時には、計画停電終了予定時間前であってもエレベーターの休止を自動解除し、平常運転に復帰させます。
- エレベーターの運行状態を電話回線を通じて監視・診断するメンテナンスで、エレベーターの一部機能を遠隔で操作することが可能です。
- 対象は2003年以降に納入されたモデルとなります。
- 対象は2007年以降にリニューアルされたモデルとなります。
お客様からのお問い合わせ先
株式会社日立ビルシステム 昇降機保全事業部 保全技術部[担当：長谷川、佐野]
〒101-8941 東京都千代田区神田美土代町7番地
TEL 03-3219-9106(直通)
報道機関からのお問い合わせ先
株式会社日立ビルシステム 法務部[担当：山添、小川]
〒101-8941 東京都千代田区神田美土代町7番地
TEL 03-3219-9176(直通)
