2011年6月23日
株式会社日立ビルシステム(取締役社長:佐々木英一/以下、日立ビルシステム)は、電力需給の逼迫が予想される今夏に向け、建物の電力消費がピークを迎える時間帯における電力抑制に寄与する、エレベーターの新しい運転サービス「電力ピーク時対応スマート運転」を、7月1日から提供します。本運転サービスは、エレベーターリモートメンテナンスシステムの技術を活用し、運転負荷に応じて自動的にエレベーターの最高速度を制限することにより、建物の消費電力が上昇するピーク時間帯において、エレベーターの最大消費電力を17%~29%抑制(*1)するもので、この夏に求められている建物毎の消費電力抑制の取り組みに貢献します。
東日本大震災の影響による電力供給力の減少により、特に夏期の建物の消費電力がピークとなる時間帯(7月~9月の平日9時~20時)における最大消費電力を抑制することが強く求められています。そのためオフィスビルなどでは、空調、照明、OA機器、エレベーターなど、広範囲にわたっての節電対策が必要となっています。
一般的なロープ式エレベーターの場合、かごとつり合い重りがつるべ式にロープで結ばれていて、かごの積載質量の半分の質量が積載されているときに双方がつり合う構造になっていることから、満員のかごの上昇運転、空のかごの下降運転の際に消費電力が最大になります。本運転サービスでは、こうした運転状態のときにエレベーターの最高速度を定格速度から15m/min(一部機種では30m/min)下げる設定をしておくことで、建物の消費電力がピークとなる時間帯におけるエレベーターの最大消費電力を抑制します。なお、かごとつり合い重りの重量差が少ないときや、空のかごの上昇運転時、満員のかごの下降運転時には消費電力は少ないので、定格速度で運転します。またタイマー制御により、電力消費の多い時間帯(平日9時~20時)以外は通常運転を行います。
本運転サービスは、株式会社日立製作所の最新式(*2)標準型乗用エレベーター「アーバンエース」において、日立ビルシステムが提供するリモートメンテナンスシステム「スーパーヘリオスメンテナンス(*3)」を契約している場合に、オプション機能である「お手軽モード変更サービス(*4)」のメニューの一つとして提供します。最新式エレベーターのマイコンインバーター制御による運転速度制御機能と、スーパーヘリオスメンテナンスによる運転状態監視・制御機能を連動させることで、運転時間帯および運転状態に応じて自動的に速度制限を行い、エレベーターの最大消費電力を抑制するものです。
一回の運転(起動から停止まで)における電力消費のイメージ図
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