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首都圏直下型地震発生の際の昇降機およびビル設備の迅速な復旧対応体制の確立を目的とする「広域災害対応訓練」を実施


2009年9月3日

株式会社日立ビルシステム(取締役社長:池村敏郎/以下、日立ビルシステム)は、首都圏直下型地震が発生した場合の昇降機およびビル設備への迅速な復旧対応体制の確立を目的に、9月5日に、本社(東京都千代田区)、東部管制センター(東京都足立区)など首都圏の出動拠点を中心とした広域災害対応訓練を実施します。
日立ビルシステムでは、2006年から毎年、全社または各地域ごとに広域災害対応訓練を実施してきました。今回の訓練では、午前7時に東京湾北部を震源にマグニチュード7.3の地震が発生したという想定のもと、新たな訓練項目として、交通遮断や社員の被災など悪条件下での対応や、昇降機の製造元である株式会社日立製作所(以下、日立)と連携し昇降機の部品などが損傷した場合の対応体制の検証を実施します。

日立ビルシステムは、2005年7月に発生した千葉県北西部地震*1の対策として、2006年1月、エレベーターの遠隔監視診断装置と全メンテナンスエンジニアに配付した携帯電話型メンテナンスツールおよび社内情報ネットワークと連携した「広域災害支援システム」を開発し、大きな災害時でも交信が遮断されにくいパケット通信を用いて出動指示と復旧管理を一元化できるシステムを構築しました。また、全国の昇降機・ビル設備の稼動情報の中枢機能を担う管制センターでは、電話回線数の増強や緊急時の受電対応要員の増員など情報収集能力の強化を図っているほか、災害時にも混線しにくい業務用無線であるMCA無線機300台を首都圏を中心に全国的に配備するなど、確実な状況把握と緊急時の情報伝達手段確保のための対応を強化してきました。さらに、2008年4月にはエレベーター関係企業としては初めて、専任で災害対応施策を検討、推進する組織「広域災害対策室」を設置しました。2009年2月には日立ビルシステムをはじめとする日立グループのサービス事業会社6社*2による、首都直下型地震を想定した合同図上訓練を行い、日立グループ一体となったお客様への迅速な対応体制の確立を目指してきました。

このように、日立ビルシステムでは、これまで首都直下型地震に向けたさまざまな対応体制の整備に努めてきましたが、今回の訓練では新たな訓練項目として、実際に大規模災害が発生した場合に起こりうる交通遮断や社員の被災など悪条件下での対応や、昇降機の部品などが損傷した場合の日立との連携体制の検証などを実施します。

日立ビルシステムは、今回の広域災害対応訓練で得られた実証データをもとに、これまで立案してきた広域災害対策の有効性を改めて検証し、より実践的な対応体制の構築と対応力の強化に努めていきます。

主な訓練のポイント

  1. 従業員の安否確認
    想定している地震発生時刻直後に、首都圏在住の従業員約4,900名*3の携帯電話に安否確認メールを配信し、各自が被災の有無、出社の可否などを返信します。災害対策本部は、この情報を従業員の被災状況確認のほか、業務対応体制の構築のために活用します。
  2. 交通遮断時の出勤体制
    都内の公共交通機関がすべて運転見合わせとなっていることを前提とし、訓練参加者は原則として徒歩または自転車で各拠点まで出勤します。被災したエレベーターの復旧にあたるメンテナンスエンジニアや本社などの後方支援要員などどれだけの人員が一定時間内に参集できるかを検証します。
  3. 無線機を活用した出動指示
    MCA無線機を用い、メンテナンスエンジニアに対して予め設定したエレベーター閉じ込め現場への出動指示を与え*4、実際にその場所まで出動させ、緊急の情報連絡が滞りなく行うことができるかを確認します。
  4. 物損品の製造依頼
    地震による被害でエレベーターの部品の一部に破損が生じるケースを想定し、製品の製造元である日立に代替品の製造を依頼し、設計図面などの関係資料を見ながら何日間で製造、配送ができるかを検証します。

訓練の想定シナリオ

  1. 発生日時
    2009年9月5日(土)午前7時
  2. 地震規模
    マグニチュード7.3 最大震度6強
  3. 震源
    東京湾北部
  4. 被災状況
    (1)インフラ 電気・ガス・水道は都内全域でストップ。通信は輻輳規制(音声通話不可)。
    首都圏の鉄道は運転見合わせ。道路は各所で交通規制。
    (2)エレベーター被害 1都4県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県)において閉じ込めが約900件発生。
  1. 2005年7月23日16時35分、千葉県北西部を震源としたマグニチュード6.0(最大震度5強)の地震が発生。この地震で約64,000台のエレベーターが地震時管制運転装置の作動により停止し、78台で閉じ込めが発生しました。
  2. 日立ビルシステムのほか、日立アプライアンス株式会社、株式会社日立エンジニアリング・サービス、株式会社日立産機システム、日立電子サービス株式会社、日立コンシューマ・マーケティング株式会社が参加しました。
  3. 一部関連会社従業員を含みます。
  4. メンテナンスエンジニアはどこのビルのエレベーターに対し閉じ込め救出指示が出るかは事前に知らされていません。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社日立ビルシステム 広域災害対策室 (担当) 久保田
〒101-8941 東京都千代田区神田美土代町7番地
TEL 03-3219-9065(直通)

報道機関お問い合せ先

株式会社日立ビルシステム 法務部 (担当) 山添、小川
〒101-8941 東京都千代田区神田美土代町7番地
TEL 03-3219-9176(直通)

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