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既設のエレベーターに対して最新型エレベーターの地震対策を適用できる新地震時管制運転システムを発売


2007年9月28日

株式会社日立ビルシステム(取締役社長:池村敏郎/以下、日立ビルシステム)は、既設のエレベーターに対して、地震対策として初期微動感知器とリスタート機能の適用を可能にした、新地震時管制運転システムを10月1日から発売します。本システムは、株式会社日立製作所 都市開発システムグループ(グループ長&CEO:髙橋 秀明/以下、日立)が2006年12月に発売した最新の標準型エレベーター「アーバンエース」で標準装備されているものと同等のシステムです。これにより、既存のエレベーターにおいても、最新の地震対策機能を導入することが可能になります。

本システムは、エレベーターの昇降路内の最下部や機械室などに初期微動感知器を設置し、地震の初期微動を感知すると、最寄り階までエレベーターを自動的に移動運転させて戸を開き、強く揺れる主要動が到達する前に利用者を安全に退避させるものです。また、最寄り階まで移動する間に安全装置*1 が一時的に作動し、階間に非常停止した場合でも、安全装置が正常に復帰すれば、再度自動的に最寄り階まで運転を行うリスタート機能を備えています。

地震感知器には、初期微動感知器と主要動感知器がありますが、従来の既設エレベーター向け地震時管制運転システムでは、初期微動感知器は有償付加仕様となっていました。主要動感知器のみを用いた地震時管制運転システムは、主要動が大きい際に、他の安全装置が先に働いて緊急停止する場合がありました。また、最寄り階への退避運転中に、管制運転システム以外の安全装置が作動した場合、エレベーターは非常停止し、現地にエンジニアが到着するまで復旧できませんでした。

初期微動感知器やリスタート機能については、日立が2006年12月に発売した最新の標準型エレベーター「アーバンエース」では、標準装備されていますが、本システムにより、既設のエレベーターに対しても、リスタート機能の適用が可能となり、初期微動感知器も標準装備されることで、最新型のエレベーターと同等の地震対策機能を導入できます。

なお、本システムは、「昇降機耐震設計・施工指針(1998年度版)」による耐震対策を実施している場合にのみ、適用が可能となります。

  1. エスカレーターのトラス組品とは、エスカレーターのトラス(新しく設置するフレーム)に駆動装置、制御盤、レール、ステップなどを組み込んだものです。搬入条件、階高により異なりますが、トラス組品は通常、上部、下部、中間部の複数に分割され、据付現場まで搬入されます。

本システムの特長

地震発生時に、伝達速度の速い初期微動を検出できる初期微動感知器を設置することにより、大きく揺れる主要動が到着する前に、エレベーターを最寄り階へ自動停止させ、利用者を安全に退避させることができます。

リスタート機能*2

エレベーターが運転中に主要動などにより安全装置が一時的に作動し、階と階の途中で非常停止した場合でも、地震の揺れが収まって安全装置が正常に復帰すれば、自動的に最寄り階に移動する管制運転を再開します。

  1. 本機能は、一部適用できない機種があります。

本システムの動作フローチャート

本システムの動作フローチャート

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  • エスカレーターのトラス組品とは、エスカレーターのトラス(新しく設置するフレーム)に駆動装置、制御盤、レール、ステップなどを組み込んだものです。搬入条件、階高により異なりますが、トラス組品は通常、上部、下部、中間部の複数に分割され、据付現場まで搬入されます。

新地震時管制運転システム

本件に関するお問い合わせ先

株式会社日立ビルシステム 昇降機事業部 リニューアル技術部 (担当) 斉藤
〒101-8941 東京都千代田区神田美土代町7番地
TEL 03-3219-9113(直通)

報道機関お問い合せ先

株式会社日立ビルシステム 法務部 (広報担当) 山添、小川
〒101-8941 東京都千代田区神田美土代町7番地
TEL 03-3219-9176(直通)

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