2006年3月29日
株式会社 日立製作所(執行役社長:庄山悦彦/以下、日立)と株式会社日立ビルシステム(取締役社長:/以下、日立ビルシステム)は、このたび、エレベーターの乗りかご内における異常行動を高精度に検知するシステムを開発し、日立ビルシステムが提供するエレベーターメンテナンスサービスの新機能「ヘリオスウォッチャー」として、4月1日から販売を開始します。
「ヘリオスウォッチャー」は、エレベーターの乗りかご内に設置したカメラ映像から、“あばれ”や滞留、威嚇行為などの異常行動を検知し、音声による注意喚起および最寄り階、指定階への緊急停止を行うシステムです。日立が開発した高精度な画像処理技術の活用により、動きの大きな“あばれ”だけではなく、検知の難しい動きの小さな異常行動にも対応し、検知率95%以上という高精度の異常行動検知を実現しました。
これにより、エレベーターの乗りかご内における犯罪や急病による倒れこみなどを的確に検知し、音声による注意喚起や呼びかけが可能になり、これまで以上に安心・安全にエレベーターを利用いただけます。
日立ビルシステムは、24時間365日、エレベーターを遠隔で監視・診断する遠隔知的診断システム「ヘリオス」*1 を1994年に開発し、お客様のエレベーター利用状況に応じた適確な予防保全を実施するとともに、万一の故障により閉じ込められた利用者の遠隔救出を行う遠隔閉じ込め救出システム「ヘリオスレスキュー」*2 など、全ての人が安心・安全に利用できるエレベーターを目指して様々なサービスを提供してきました。
このたび販売を開始する「ヘリオスウォッチャー」は、日立が開発した高精度な画像処理技術を用いて、エレベーターの乗りかご内に設置したカメラ映像と事前に取り込んだ正常行動情報を照らし合わせて、“あばれ”や滞留などの異常行動を検知し、音声での注意喚起を行いつつ、最寄り階あるいは指定階に乗りかごを緊急停止させるものです。日立の異常行動検知技術は、動きの大きさではなく行動の特徴から異常検知を行う方式のため、動きの小さな異常行動も検知可能です。「ヘリオスウォッチャー」は、威嚇行為など、一般的に実用化されている異常行動検知システムでは検知が難しい、動きの小さな異常行動にも対応し、検知率95%以上という高精度の異常行動検知を実現しており、利用者にこれまで以上に安心・安全を提供できます。
なお、日立および日立ビルシステムは、近年の防犯・セキュリティに対するニーズの高まりに対応して、エレベーターの乗りかご内に防犯カメラやかご内映像を表示するディスプレイを設置するなど、安心・安全にエレベーターを利用できる機能を強化してきたほか、ICカードなどにより集合玄関解錠やエレベーター利用に制限をかける「ダブルセキュリティ」をはじめとするマンションセキュリティシステムを提供しています。
今回、「ヘリオスウォッチャー」に用いた異常行動検知技術についても、今後、エントランスや駐車場、駐輪場といったマンション共用部などへも展開を図り、都市における安心・安全を支えるセキュリティソリューション事業を拡大していきます。
株式会社日立ビルシステム 昇降機事業部 保全技術部 (担当) 井上
101-8941 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地
TEL 03-3219-9102(直通)