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Hitachi

株式会社日立ビルシステム

農業から、産業機械、ビル・マンションの管理まで ひろがる遠隔サービス

全国各地に点在している設備や離れた場所にある装置を、手元のパソコンやスマートフォンなどを使って操作し、管理できる遠隔サービスが、暮らしの様々な場面に広がってきています。
植物工場の環境を遠隔で24 時間管理したり、世界中の建設現場などで活躍する建設機械の稼働状況を遠隔で管理する事例など、ITを活用した最前線の遠隔サービスを紹介します。

CASE 1 株式会社グランパ
遠隔管理システムを使い、ドーム型植物工場でレタス栽培

外観写真
横浜にあるドーム型植物工場

横浜の中心地、桜木町駅のすぐ裏に突如あらわれたドーム型のビニールハウス。これが今、注目を集めている植物工場「グランパドーム」です。横浜市が所有する土地に今年10月までの期間限定で設置されたこのドームの大きさは高さ5メートル、直径27メートルで、中には直径20メートル、深さ8センチの円形水槽が設置されており、常時、約1.5 万株のレタスが水耕栽培されています。
 都市部においても、空地を利用した効率的な農業によって、地産地消を促進するプロジェクトとして注目を集めています。
 「これからの日本を担う多くの若い人にも興味を持ってもらえるよう、きちんと利益の上がる農業を確立し、国内における農作物の自給率を上げていきたい」―。そんな熱い思いにかられ、(株)グランパの創業者、阿部隆昭社長が、農業の世界に飛び込んだのは、52歳のときでした。そして、悪戦苦闘の末にたどり着いたのが、このグランパドームだったのです。
 グランパドームでは、現在、ITを使ってドーム内の温度や湿度、養液が管理されており、最適な栽培環境を外れた場合には、遠隔管理システムによって、離れた場所からでも自由に、設定の変更が行えるようになっています。それにより、レタスは24時間365日、快適な環境の中で、すくすくと育っているのです。

ドーム型植物工場のメリット

 このドーム型植物工場のメリットは大きく3つあります。1つ目は、単位面積あたりの収穫量を従来型のビニールハウスに比べて約1.5倍にできること。従来型では、最初に小さな苗を密に植え、ある時期になると成長を見越して、別のスペースに苗どうしの間隔を広く開けて植え替えます。そのため、どうしても2つのスペースが必要になります。一方、この植物工場の場合は、成長するに従って苗が円の中心から外側に向かって自動で移動していくので1つのスペースで済み、ムダがないのです。また、これにより作業効率が高まることも2つ目のメリットです。従来型の場合、苗の植え替え作業があるのに対し、この植物工場では不要なため、植え付ける、収穫する、の2工程で済みます。3つ目は、エネルギー効率の高さです。従来型の場合、鉄骨の支柱があるため、日影ができてしまいます。一方、グランパドームは空気圧で膨らませているため、支柱がないので日陰のスペースが少なくなり、太陽光を取り入れやすくなります。加えて、空調も工夫しています。東京ドームと同じように、下層エリアの空気だけ冷やしたり、床に近いところを効率的に暖めたりする空調技術を採用。ドーム内の下層部のレタスを栽培しているエリアの空調だけを制御すればいいので、全体のエネルギーコストを大幅に削減できるのです。

阿部 隆昭 氏の写真

株式会社グランパ 代表取締役社長
阿部 隆昭 氏

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