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株式会社日立ビルシステム

ビルやマンションがきちんと機能し、適正に保全されるためには、建物自身の維持管理と同様に、外回りの様々な施設に対しても気配りが欠かせません。
今回は、そんな外構・土木について考えてみましょう。
執筆=澤田博一(一級建築士)

建物と地面との間に隙間ができたら‥‥

外回りでまず気をつけたい所は、建物と敷地の接するあたりです。周辺の地盤が沈下して建物が浮き上がって見えたり、反対に建物自身が沈下したり傾いたり(不同沈下という)することがあります。

前者の場合には、周囲と建物の出入り口の段差を解消する工事が必要となり、建物と地面との間に隙間(すきま)ができていたら、雨水の浸入を防ぐ修繕を考えねばなりません。さらに、後者の場合には構造躯体のひび割れの大きな原因となり、耐震性能にも少なからぬ影響を及ぼしますから、沈下量が多い場合には建物をジャッキアップして基礎を補修するなどの大がかりな修繕が避けられません。

建物と地面との間に隙間が生じた様子の写真画像1建物と地面との間に隙間が生じた様子の写真画像2
建物と地面との間に隙間が生じると雨水が浸入してしまう。
早めの修繕が必要となる。

コンクリート塀も外壁と同時に塗り替えを

定期点検のイメージ画像

敷地と隣地を区画する囲障(柵や塀)や擁壁も、風雨や地盤沈下などの自然的要因や、衝突などの人為的要因で傷みます。特にフェンスが鉄製の場合は、数年ごとの塗り替えが必要で、コンクリ−ト製の塀の場合でも、大半が建物の外壁と同じ材料で仕上げられているため、同時期の塗り替えをお奨めします。

崖が崩れないように押さえる擁壁も、ひび割れやはらみがないか、水抜き穴は機能しているかなどを年1回程度定期的に点検し、もちろん問題があれば修繕の検討を行います。

駐車場は透水性の舗装も検討しよう

環境への配慮を考えているイメージ画像

建物回りの通路や駐車場は、数々の材料で舗装され、その境界は側溝や縁石で仕切られています。それらの経年劣化の進み方は、鉄部塗装などに比べるとはるかにゆるやかですが、表層の摩耗や路盤の沈下などで水たまりや陥没などの不具合が生じます。全面的に直すのか、部分修繕ですませるのかは個別の状況にもよりますが、もし全面修繕を施すのであれば、透水性の舗装を採用したり、自然素材や再生材を用いるなどして、環境への配慮が望まれます。

植栽の手入れも大切に

敷地内の緑地には、様々な植物が植えられています。それら植栽の定期的な手入れ(剪定)も、外回りの維持管理の大切な一項目です。野放図に枝を伸ばすと、架空線(電線)に支障が出たり、樹木の落葉で排水溝が詰まる恐れもあります。害虫駆除の消毒薬散布も、人体への影響が少ないものを選ぶ配慮が必要です。

また、最近多くなった屋上や壁面の緑化も、専門家の意見を充分参考にして行わないと、かえって防水や仕上げを傷める可能性があるので注意を要します。

植栽の手入れを必要とするイメージ写真画像
電線に支障が出ないように、植栽の手入れも定期的に行いたい。

排水溝に溜まった落ち葉やゴミの様子を示す写真画像
排水溝に溜まった落ち葉やゴミは、早めに取り除いておこう。

外側からも腐食が進む地中埋設管

調査診断のイメージ画像

ビルやマンションの敷地の地中には、ガス管・水道管・排水管などが埋設されています。これらの埋設管は土壌の質、地中の電流などの影響を受けて、外部からも腐食が進む恐れがあるので、築後20年前後に専門家による調査診断を受けてください。

また、地中の排水管も永い間には、地盤沈下や樹木の根により適正な勾配が損なわれ、排水不良や詰まることがあります。築後25年程度で、同様に調査診断を行うことをお奨めします。