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Hitachi

株式会社日立ビルシステム

電気関連の設備はビルやマンションに人体の神経のように張り巡らされています。
ビルの正常な機能と機器の寿命を維持していくためには、これらの設備の定期的な診断と劣化の早期発見が欠かせません。
今回は電気関連設備について考えてみましょう。
執筆=澤田博一(一級建築士)

機器のつながりを把握しよう

機器のつながりを把握しているイメージ画像

建物への電気の取り入れ方は、例えば中小ビルでは屋上などにキュービクルと通称される小型の受変電機器を設ける方法や、中規模以上のマンションでは電力会社に借室と称するスペ−スを無償で貸し、その室内に置いた電力会社の変圧器からマンション側の分電盤へ給電する方法等があります。取り入れられた電気は、あたかも幹から枝葉に栄養が供給されるように、幹線から分電盤を経て支線へ、そしてスイッチやコンセントから機器や器具に供給されています。電気設備の理解を深めるためにも、電気系統図で機器間のつながりをきちんと把握しておきましょう。

電気設備の定期点検は有資格者に

これらの電気設備は、配線や配管設備・受変電設備・照明設備・動力制御設備・情報通信設備などに分類されます。日常の保守点検は、設置者(オ−ナ−)もしくは設備管理を受託した会社の社員による外観点検や作動点検が主ですが、定期点検では専門家による機器を用いた測定や試験が行われ、それに基づいて各種のメンテナンスが行われます。特に高い電圧で受電した機器は、「自家用電気工作物」と呼ばれ、その設備の維持・運用にあたっては、「電気主任技術者」と呼ばれる専門技術者を選任し、省令で定めた基準に適合するよう「保安規程」を作成して、設置者(オーナー)自らが保安の確保に努めなければなりません。

異常を感じたら専門家の診断を

専門家による診断のイメージ画像

電気設備も他の設備と同じく長年使用するにつれ徐々に劣化し、ついには寿命がつきて故障してしまいます。主な電気設備の耐用年数は、受変電機器類で20〜30年程度、幹線の高圧ケ−ブルで25年前後、照明器具類で15年程度といわれています。これが設備更新の目安になりますが、日常の保守点検で異音や臭いなどの異常を感知したら、専門家による劣化診断を受けることをおすすめします。

情報通信設備は新規格に更新を

新しい規格に更新していくことが一般的な考え方になるイメージ画像

情報通信技術は日進月歩で進んでいます。従って、日常的なメンテナンスを除き計画的な修繕で、竣工時の性能を回復させるというよりは、時代に合わせてどんどん新しい規格に更新していくというのが今後は一般的な考え方になるでしょう。また、従来は情報設備と通信設備に二分されていましたが、今後は両者が融合され、パソコンなどの情報端末類と光ケーブルなどの通信設備類の分類に変わってゆくものと考えられます。

照明設備は建物の評価に大きく影響

照明設備は、電気設備のうちで最も目に付くものです。それだけに、その維持管理の善し悪しが建物全体の評価に大きく影響します。切れた管球はすぐに取り替えるのはもちろんですが、マンションの外廊下の天井灯が錆びて(写真参照)放置されていると、いくら他の部分を直しても建物全体の資産価値は少しも上がりません。外観から相当傷みが進んでいる状態がうかがえたら、内部の安定器などの状態もかなり劣化していると考えられるので、早めの交換が必要になります。

蛍光灯の写真画像
管球の両端が黒ずんでチラツキだしたら交換の時期。

痛んだ蛍光灯の写真画像
ここまで傷んでいると早めに交換が必要。