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株式会社日立ビルシステム

鉄をはじめとする金属類は年月を経るにしたがって徐々に錆が出てきてしまいます。
今回は金属類のさまざまな劣化現象を知り、点検のポイントと早期修繕の大切さを考えてみましょう。
執筆=澤田博一(一級建築士)

金属は錆びてしまうもの

建物には、鉄をはじめアルミやステンレスなどの金属が各所に使われています。その主な例は、各部の手摺りや避難階段、外壁のカーテンウォールや窓・ドアなどの建具類です。中でも鉄は、比較的安価で加工しやすいため多用されていますが、錆びやすい欠点を持っています。その弱みをカバーするため、表面処理や塗装を施して、錆の原因となる水や酸素に直接鉄の生地が触れないような工夫をこらしています。しかし、それらの措置も長い間もつというわけにはいきません。

前兆を見逃さないように

鉄部の表面塗装は、風雨や紫外線により徐々に劣化します。立地環境や塗装材料により塗り替え周期の長短がありますが、一般的に用いられる合成樹脂調合ペイントでは、屋外3〜4年、屋内5〜6年程度が標準周期です。鉄部塗装塗膜の劣化現象は、光沢の消失やチョーキング(表面が白く劣化する)がその前兆で、次第に錆や塗膜の剥離が生じ、ついには腐食してしまいます。【写真1】は手摺りの付け根が腐食して破断してしまった例で、単なる塗り替えでは修繕できません。

写真1

早めの塗り替えが長持ちのポイント

【写真2】は、屋外の鉄骨避難階段の各部に錆が生じ、早めに塗り替えないと【写真1】のように腐朽してしまいそうな状況写真です。どこにどんな鉄部があるか、予めチェックをし、半年から1年に1回程度の周期で点検して、光沢の消失やチョーキングなどの前兆現象をとらえ、それが発見されたら早めに塗り替え計画を立てるのが、鉄部を長持ちさせるポイントです。また、思い切って錆びにくいステンレスやアルミへの取り替えを検討してみるのもよいでしょう。

写真2

アルミは定期的に表面洗浄を

アルミやステンレスも、汚染物質の付着から点状の錆(点食)を生じます。それを防ぐには、定期的な表面洗浄が有効で、1年に1回程度中性洗剤水溶液で洗浄し、水洗い後、乾燥した布で拭き取りを行います。それでも取れないこびり付いた汚れは、研磨剤や研磨紙で除去し、ウレタンクリヤー等の保護塗装をかける場合もあります。また、アルミサッシ等の建具類は、戸車や掛け金、コーナービート(ガラスの押し縁)等の部材が長年使用するうちに磨耗をはじめとして劣化しますので、外壁修繕等の機会に併せて取り替えることをお奨めします。

ステンレス製に取り替えも

写真3

写真4

【写真3】はバルコニーの垂直避難口の枠が、【写真4】は鋼製ガラリ戸の框がそれぞれ腐朽している例です。どちらの場合も溶接補修した後に鉄部塗装を施しても、立地環境と管理状況からまだ遠からぬうちに再び障害が起きるものと推定され、ステンレス製の物への取り替えが最善の策でしょう。この他にも手摺りやタラップ等、錆びにくい部材への取り替え検討箇所は色々とあります。また、設備関係でも塗り替えや取り替えを要する部分がたくさんあります。【写真5】はその一例で、このように屋上給水配管の保温筒の錆がひどい場合は、亜鉛メッキかステンレス製の部材に取り替えを行ったほうがよいでしょう。

写真5イメージ