ページの本文へ

Hitachi

株式会社日立ビルシステム

年月が経つにつれ、ビルの外壁は少しずつ劣化していきます。
そのまま放置しておくと、建物全体の耐久性、安全性や居住性などの面で、支障が生じてしまうこともあります。
早期対応が望まれる壁面の劣化について考えてみましょう。
執筆=澤田博一(一級建築士)

壁面は日ごとに劣化していく

イメージ画像

毎日見慣れた堅牢そうな鉄筋コンクリートの壁も、日にさらされ風雨を浴びるうちに徐々に傷みが出てきます。劣化が早まる原因として、次の3つが考えられます。1つめは、コンクリートの成分によるもの。2つめは、施工時の不具合によるもの。3つめは、地震による建物の揺れや寒暖の差による伸び縮みなどです。1と2によるものは建築後比較的早くから傷みが発生する場合が多くみられます。

いろいろある劣化の現象

イメージ画像

その結果、現れる劣化現象は、ゆがみ、ジャンカ(コンクリートの表面が砂利だけの状態になる障害)・ひび割れ・鉄筋露出(コンクリート中の鉄筋が錆びて膨張し周囲のコンクリートを破壊して露出する障害)・欠損・漏水・エフロレッセンス(コンクリート表面に石灰分がにじみ出て白く汚す障害)等です。後で述べる日常点検で、これらの不具合の発生状況を目で見てチェックし、局部的な障害発生なら部分修繕を、各所に劣化が目立つようになったらそろそろ全体的な修繕を計画する時期となります。その準備の第一歩となるのが、建物の劣化調査診断です。

仕上げ塗料の劣化を調べよう

イメージ画像

コンクリート表面の仕上げ塗料も劣化します。その原因は、下地となるコンクリートの劣化、紫外線や風雨等の外的な要因、使用に伴う損傷や汚れが主なものです。劣化現象としては、塗膜のひび割れ・剥離・褪色・チョーキング(表層が白い粉のように分解される現象)・汚染等が挙げられます。仕上げ塗料の劣化の前触れはチョーキングの発生で、その有無は手で触ってみて指先に白い粉が付くかどうかで簡単にわかりますから、ぜひ試してみてください。その発生が顕著で、その他の障害もちらほら見えるようになると塗り替え時期に達していることになります。

タイルは軽く叩いてみよう

タイルを叩いてチェックしているイメージ画像

近年、タイル仕上げの建物もますます多くなってきました。タイルそれ自体は塗料に比べ長持ちしますが、下地の動きによるひび割れや欠け、浮きの発生はやはりどの建物でも見られますし、長い年月の間には目地が傷んで剥落することもあります。タイルのひび割れや欠損は目で見てわかりますが、浮きは見ただけではわかりません。原始的ながら簡便な浮きの調査方法は、軽く叩いてその反響音で判断する「打診」があります。キンキンと固い音がすれば健常で、コンコンやポコポコと言うような空洞音がすれば浮いていると判断します。浮きが多数ある場合や、広範囲な場合はなるべく早く専門家の調査を受けることをお勧めします。

日常点検のためにチェックシートを用意しよう

イメージ画像

壁面の劣化は通常徐々に進行するため、毎日見慣れているとついうっかり見過ごしてしまいます。このため定期的な日常点検が状況把握に有効です。日常点検には先に述べた異常の有無や程度(発生箇所数等)を記入するチェックシートと、その位置を記入する立面図のコピー等を準備します。建物の上のほうは近くから見ることができないため、観察する双眼鏡もあれば便利です。また、カメラで状況を撮影するのも第3者に説明するのに有効です。一つの目安として、専門家による定期点検は1年に1回程度が望ましく、壁面の計画的な塗り替えを10〜12年程度ごとに行えば、建物の維持保全に有効と言われています。

ビルの定期診断――早め早めにビルの健康をチェックしましょう。

ビルの診断風景の写真

建物や設備機器の機能を十分に発揮させるためには、ビルも人と同じように定期的な健康診断が必要です。診断により、建物の劣化を早期に発見することは、リニューアル費用の削減や安全性の確保、さらには建物の寿命を延ばすことにもつながります。建物に次のような症状が出ていたら、お気軽にご相談ください。

  • 外壁にひび割れや剥離がある。
  • タイルが浮いたり剥がれたりしている。
  • ベランダや手すりにサビが出てきた。
  • 雨水によるシミが天井や壁に出ている。

■カスタマーサポートセンター 0120-7838-99

17ページ中1ページ